田舎に行けば理想の暮らしができるのか
「田舎暮らし」と聞いてイメージするのはどんなものでしょう。
・畑で野菜を作って収穫を楽しむ?
・薪ストーブの前でロッキングチェアに揺られながらゆっくり本を読む?
・鳥の声で起きて星を見ながら眠る?
いろいろだと思います。
ではその夢のような生活は可能なのか?ということについて書いていこうかと思います
田舎への移住、実際どう?
夢が詰まった移住生活。でもそんなに期待して大丈夫?っと側から見ていてちょっと心配になることもあります。
違った生活はできるけど、それが理想通りとは限らない。(むしろ予想外のことが多いと思う)
現地へ転職すれば現金収入は下がるから、家賃は下がるけどトータルの生活はよくてトントン… かなぁ…
むしろ「思ってたんと違う…」ことが多いのではないかと
環境も暮らし方自体も180度変わるので、それを楽しめるかどうか がポイントです
結論 お金があれば可能だけど…
理想のイメージ、お手伝いさんを置いておける経済力のある人なら可能です。
薪ストーブにしても、その薪を調達して薪にしなくちゃいけないし、その割った薪が使えるのは来年です。(そう、今年じゃないのですよ、「乾燥」という工程が要るのです。だから保管にたくさんスペースがいるんですよね)
正直ゆったりくつろぐ暇なんて、やることが沢山あるから想像より忙しい日々。
優雅な生活なんて他のこと全部してくれる人がいれば可能だけれど、それで何が楽しい??それなら別荘や旅行と一緒じゃないのかな?と個人的には思います
田舎に行くだけでは解決しない
毎日働きながら消耗する自分を自覚する時、ふと「このままでいいのか」「これから先どうしよう」と考えたとします。
そんな時、地方移住の番組とか雑誌で「田舎生活いいよ〜」「自然の中で自分を取り戻した〜」とかキラキラした人たちを見るとします。
すると「田舎へ移住したいなー」とか、あたかも田舎へ行けば今の問題が全部なくなってハッピーになれるような気になりませんか?
結論から言うと、そんなことないです(笑)
もっと正確に言うと、今ある問題(例えば満員電車に揺られるとか、職場の人間関係とか、残業ばっかりで睡眠時間短いとか)は無くなります。
でも違う形で問題は出てくるので(例えば経済困難とか、田舎のコミュニティに馴染めるかとか、草刈りとか地域行事が増えることで休みが減るとか)、問題の内容(というか種類)が変わって結局トータルは変わらないと思っておいたほうがいいです。
えーーじゃぁ意味ないからいいや。って思う?
でも問題の内容が変わるので、人によってそれをストレスと感じるか感じないか、嫌か嫌いじゃないか、初めはそう思っていてもそう思わなくなるか、それぞれなのです。
だから一概に言えないというのが正直なところ
田舎暮らしいいよーなんて無責任なこと言いません(笑)
物事は一つじゃなくて複合的なので、総合的にどうなるかは本人次第。
でもそれもその人の「性格」って一括りでバッサリ判断するのももったいない。
実際私は移住するまで虫は無理でしたが(今でもそうだけど)害がないヤツらは比較的大丈夫になりました。
カメムシとか入ってきても潰さなければ臭くないし全然大丈夫
そっと返してやればOK
でも初めは怖くて相方に取ってもらってた
今は自分でできます
そうやって人は変わっていくし、ある時振り返って「あ!これって成長してる?バージョンアップしてるやん!」と自分で気付くので、あながち悪くもないのです。
だいたいのことは、慣れます。
田舎暮らしに向いている人
性格はさておき、こんな人はきっと田舎の方がいいだろう(向いているだろう)な〜と思う人ってどんな人なのかと考えてみました
・喘息など疾患がある人
・どこにいても仕事ができる人
・料理ができる人(獣を解体できる人はさらにGood!)
・大雑把が大丈夫
・自然がすき
喘息など疾患がある人
都会に行くほど物理的な距離が近いと感じます。
道には未だに歩きタバコの人もいますし、なかなか避けるのが難しいシーンがあると思います。
田舎に行くほど物理的なお互いの距離は広がるので、道路面でもなければ排ガスも気にならないし、水や空気が美味しく静かで体に優しい環境(もちろん場所によりますが。)
どこにいても仕事ができる人
田舎生活・移住の1番のネックは「仕事」です。
生活には現金収入が必要です。どんな自給自足をしたとしても税金は払わないといけないので、仕事が必要です。
「ネット環境が整っていればどこでも仕事OK」って人は強い
料理ができる人
これ大事。
田舎に行くほど基本的に自炊です。そして何もないので「ごはんが美味しい」ということは結構大事です。毎日のことなので。
できないとダメって程じゃないけど、料理ができるとベター。特に移住なら男の人ができるとSo Good !! すごく助かります。
食べ物知識があるとさらに良し!田舎に行くほど食材に恵まれるので、山の恵みやお魚、お野菜、新鮮で美味しいものを美味しく調理できたときは幸せです。
もし何かスキルを身につけて行こうと思っているのなら、料理と運転免許です。
大雑把が大丈夫
自分でコントロールできないことが起こっても、「ま、いいか」って思える性格の人は個人的に向いてると思います。
逆に「こうしたい」「こうあるべき」「こうでないといけない」という強い信念を持った人は、ちょっとキツイんじゃないかなー(本人的に)。コントロールできないこと、よくあるので。
自然がすき
そうでないと田舎に行きたいって思わないと思うけど、念の為(笑)
向いていない人
・なんでもある都会でないと嫌な人
・プライバシーを厳守したい人
・もう虫全般、絶対無理!!な人
・文化的な施設がないと嫌な人
・大きな病院へ定期的に通院しなければいけない理由がある人
・自動車免許がない人
・結婚願望はあるけど未婚の人
なんでもある都会でないと嫌な人
基本的に田舎に行くほど何もないです(笑)
都会に行くほどいろいろ揃っています。
まぁそれを何があって何がないかにもよるですが、その話は追々するとして、文化的な施設(図書館、美術館、博物館などなど)が充実しているのは圧倒的に都会です。
最近では地域アート(芸術祭)もありアートと地域が結びつく試みのある地域もありますが、展覧会や巡回展など新しい刺激や風に当たることができるのは都会です。
スーパーを選んだり、ショッピングに渡り歩いたり、ジムや遊園地などの娯楽施設やいろいろ。
お金が基準になる所ですよね。何をするにも、どんなサービスを受けるにしろお金がないと受けられない。
基準がお金であるのですが、田舎に行くほどちょっとそれとは離れます。
基本物々交換になっていくので、価値の多様性という面では田舎に行くほど多様です。それが、「生活自体が変わる」という所以の一つでもあります。
「ある」がベースか「ない」がベースか。
基本「ない」を「ある」にする。つまりは「自分で作る」というスキルが身につきます。だって誰もしてくれないから(笑)
プライバシーを厳守したい人
プライバシーを厳守するなんて無理(笑)
家族構成から間取りまで(笑)全部知られるけどそれが必要なことだったりします。
なので、絶対嫌だ!!って人は、やめておいた方がいいです。
もう虫全般、絶対無理!!な人
虫は出ます。対策もあります。慣れます。
文化的な施設がないと嫌な人
先にも述べた通り、文化的なモノからは離れていきます。
大きな病院へ定期的に通院しなければいけない理由がある人
通院は遠いと大変です。通える範囲から逆算して、バランスが良い生活ができると良いですよね。
自動車免許がない人
車移動が基本です。バスがあっても、やはり生活は車がベースです。
免許センターが近隣にない場合もあるので、もし免許がまだであれば移住の前に取っておく方が良いです。必要になりますから。
ちなみにペーパーは大丈夫です。イヤでも乗るので慣れます。(私がそうでした)
結婚願望はあるけど未婚の人
出会いはないです
それ以前に若者がいないです(これも田舎の程度と場所によります)
私がいた限界集落は20代が片手くらい。そのうち2人は私と相方でした。
住んでしまうと外に出ないと出会いのチャンスはないので、逆に世帯の方は浮気の心配はほとんどいらない(してもどうせすぐバレる)。なので、パートナーがまだ見つかっていないうちは都会で探す方が圧倒的に有利。
しかし中には体験会で数少ない地元の若者と巡り合うケースもあるので、興味のある地域へ行くと、意外と掘り出し物(と言うのも失礼ですね^^;)が残っているという場合もあります。
自分にとって楽しいかどうか
はい…。いろいろ言いましたが、結局、自分次第という…。
その場所を良いと思えるかどうかは自分しか決められないし、そこに条件付けはできないはずです。山が好きな人もいれば海の方が好きな人もいるし、田んぼの風景が落ち着く人もいれば街の夜景にホッとする人もいるでしょうし。
何が良くて何がそうでないかなんて均一化できないし、それぞれの生い立ちや育った環境によって軸となるものもそれぞれですよね。
卵焼きは甘い派かそうでない派かとか、どっちが良いって話じゃないですよね。笑
同じように住む場所の好みもそれぞれだし、違う方が当たり前だと思います。
ただ、違うことに対応できるか(馴染めるか・肌に合っていくか)それを「楽しめるか」または「楽しもうと思うことができるか」ということの方がポイントだと思います。
ストレスフリーな生活は可能か
先にも述べましたが「何をストレスとするか」によって変わります。
ただ都会でお金を払って他の人にやってもらっていたことを、自分でやらないといけなくなる。
例えば「今日はしんどいからお弁当買って帰ろー」とか、「買い忘れあったから外食しよー」とか、できません
店やスーパーやコンビニがないので物理的に無理という意味です。当然「深夜にコンビニでアイス買う」も、できないことはないけど徒歩じゃその日のうちに帰って来れないよ?(笑)って話です。)
まとめ / 全てはその人次第
なかなか大変そうでハードルも高そうですが、実際そうでもないです。
なぜなら慣れるから(笑)。
と、同時にそれがある意味楽しくもあるというか。
そして現代生活から離れた(←って言う程でもないけど)生活を送り続けると、いらないもの、必要じゃないものが不思議とわかってくるし、手放せるようになってきます
だってあっても邪魔だもの。そんな余裕ないわぃ!と
自分について考える
何が大事で何がそうでないか、考えるようになる。
ルーティンな日常で後回しになりがちな「自分のこと」を考える機会である、と言うことはそれだけでも意味のあることなんじゃないかな。と思います。